SNSでは、「何か」を作っているということを少しだけ発信していたのですが、
ついに発表します!
それは・・・
縄文土器の美しさとアルファベットの大文字の優雅さを融合させた新しい文字デザイン
「JOMON」(ジョーモン)
です!

ここ数年、縄文ブームが来ているのをご存じですか?
「はやりもの」にはあまり興味がない私なのですが、タイミングなのでしょうか
意図せず流行に乗る感じになりました(笑)
思い返してみると、小学生の時に歴史を習ったときから縄文時代がなぜか好きでした。
詳しいことが分からない時代なので学習がさらっと終わってしまうのに、
なぜか惹かれるものがあったんですよね。
「原始的な生活の割には、土器のデザインが複雑だな~
弥生式土器はシンプルになってつまんないな~」
と思っていました。

それ以降は縄文時代に特に興味を示していたわけではないのですが、
縄文土器のようなちょっと理解に苦しむ模様だとか、
アンコールワットやエジプトの壁画、アイヌのような民族的な模様、それからフランク・ロイド・ライトの有機的建築などには惹かれていました。
数年前には縄文土器の模様からインスピレーションを受けて版画を作ったりもしました。
そして昨年、地元の豊田市博物館で縄文土器の大規模な展示があり、
国宝も来る!ということで観に行きました。
とにかく圧巻、今までに見たことのないデザインの土器がたくさん見られ、
改めて縄文人の芸術感覚に脱帽と言った感じでした。

この感動を何かにしたい、何かここから生み出したいという思いが強くなり、
はたとアルファベットデザインにしてみよう!とひらめき、
再度じっくり見に行ったりして、
3か月くらいかけてアルファベット26文字を作りました。

デザインは実際にある模様をそのまま使ったり、
組み合わせたり、エッセンスだけ取り入れて応用させたりしています。
もちろん文字の形の制限もあるので、
その形になるようデザインに工夫しなければならないところがあったり、
26文字にデザインの偏りがないようにしたりと悩むところはたくさんありました。
アルファベットのベースの書体はローマンキャピタル体といういわゆる大文字なのですが、これはアルファベットにヒエラルキーがあるならば頂点の文字。
格式高く、優雅な文字です。私も大好きな書体です。
この書体と日本の誇りである縄文土器の模様を組み合わせて、
今までに見たことのない、ちょっとグロテスクだけども優雅さも兼ね備えた美しい文字ができあがったと思っています。
縄文土器は諸説ありますが約1万7000年前から3000年前のもの。
ローマンキャピタル体も2000年前には出来上がっていたので、ものすごい融合をさせてしまっていますね(*^-^*)
ところで、1万年以上続いている縄文時代ですが、どんな時代かと言うと、
日本列島における人々が狩猟・採集を中心に生活し、定住生活を始めた時期。
まだ稲作はなく、魚や動物、植物を食べていました。
特に海産物が豊富だったため、貝塚が各地に残されています。
「竪穴式住居」という地面を掘り下げた穴の中に
木材や草を使って屋根をかけた住居に住んでいました。

縄文人は自然の中に精霊が宿ると考え、
山や川、木々、動植物などを神聖視していました。
文字はありませんが主に口伝や土器や道具、土偶、遺跡などを通じて情報を伝えていたと考えられています。
縄文土器の模様には蛇や猪、人間の形の模様など様々な模様があるので
文字の代わりに何らかの意味を持っていた可能性はあります。
縄文時代の遺跡は全国でなんと9万カ所以上あります!
そこで発掘されたものとしては土器や土偶をはじめ、
バリエーション豊かな装身具、布、編み物などですが、
「発掘されていないもの」の方が注目すべきところなんです。
それは何かというと…
「対人用の武器」なんです。

もちろん矢じりや石斧のようなものはありますが、
人への殺傷能力はない程度のもの。
また、発見された人骨に外傷によるものがほとんどないということです。
縄文土器の丁寧な手間のかかる装飾というのは戦乱の世には作られないものだそうで、女性が装飾品で着飾っていたことからも危険のない世の中だったことが分かります。
これらのことから1万4000年の長い間、
人を殺めることのない平和な時代だったと言われています。
日本人が平和を愛するのはこの長い期間に培われたDNAによるものだとしたら、なんだかとても誇りに感じますし、ロマンがありますよね。
つづく…
みなさん、こんにちは!
今回は新作のお知らせです。