こんにちは。サプリメントアートカリグラファーのユミです。
今回は色鉛筆を使った作品の制作過程をお見せします。
「自然の美」と名付けたこの作品はアリス・ウォーカーさんの名言を書いています。
In nature, nothing is perfect and everything is perfect. Trees can be contorted, bent in weird ways, and they’re still beautiful.
Alice Walker
「自然に完璧なものはないが、全てが完全だ。木々はねじ曲がって、変な風に折れ曲がっていても、それでもなお美しい」
少ない言葉の中に自然の美しさを表現しているこの言葉を作品にしたいと思ったとき、私の好きな花の咲く蔓植物が頭に浮かびました。そこで文字を枝に見立ててフローリッシュを蔓のように絡ませることをイメージしていたら、ギリシャの海辺の町みたいな光景が頭に浮かんだので絵的な作品にしようと決めました。文字部分がデザイン的なので、背景も正確さよりデザイン性を重視して曲線の文字部分に対比するように直線的にしました。
作品は毎回が実験的なもので、試行錯誤しながらのことが多く、今回はバカみたいなミスもありましたがそれでもすんなり進んだ方でした。
失敗も合わせて書いていますので、参考になればうれしいです。
構想
1)イメージをスケッチする
イメージしている完成形を色鉛筆でスケッチします。(汚くて恥ずかしい)
空想的な絵なので遠近法もそこまで正確ではなくイメージで。
2)ペンで書く
構想用の紙(お絵描き帳でもなんでも)に鉛筆でバランスを考えながら文字を書いた後、黒のペンでなぞります。
これは本番の紙にライトテーブルで透かして写すのに濃い方が見やすいからです。
前の段階で正方形の構図にしようとしていたのですが、蔓を入れるスペースが少し狭いことに気づき、行間を空けて長方形の構図に変更しました。
正方形の構図は好きなのでほんとはやりたかったのですが…
ペン入れをする前に気づいて欲しかったですね(笑)
3)蔓をデザインする
先ほどの下書きの上にトレーシングペーパーを乗せて蔓をデザインします。
もちろん鉛筆で描いたり消したりを繰り返して作っていきます。腕が自然に動くような曲線を意識すると自然な曲線になり、不自然な角ができないと思います。
完成のイメージがしやすいので色鉛筆で最終的な線をなぞっています。
なんと!蔓を描いて眺めていたら行間が気に入らなくなり書き直すことに!
2)へ戻る。(すごろくか!)
ちなみに私はすごろくが苦手で子どもに付き合うときは結構苦痛でした…
そして蔓もやり直しです。(*´Д`)
はい、やり直しました。
なんで気づかなかったんだろうと自己嫌悪に陥りながら始めましたが、楽しくなってきたので良しとしましょう。
ここまで来たら本番へ移ります。
背景は下書きなしでいきます。
本番
4)文字を書く
本番用紙(ケント紙)の下に下書きを置き、ライトテーブルで写して文字の輪郭を描きます。色鉛筆が柔らかいタイプなのですぐに先が丸くなり、何度も何度も削って書きました。削り器は携帯用の小さいのを愛用しています。鉛筆が短くなっても使えるし、作品を眺めつつ次どうしようかな~を考えながら手元でガリガリ削っている時間も好きなんですよね。
ちなみに削り器はクツワのトガールを使っています。
文字部分の輪郭が仕上がったところ。
*書くときは手の油が付かないように紙を敷きます。
5)文字に色を足す
文字に色を足していきます。画像では2色ですが3色使いました。
細かい部分をシャープにするためと、はっきり見えるようにするために何度も上塗りしているので結構時間がかかっています。
6)蔓を描く
蔓はライトテーブルで写しているものの、腕の自然な動きで描くので少しくらいは下書きとズレても気にせずどんどん描いていきます。筆圧で太さの強弱を出しますが、肉付けも後からしています。
7)花を描く
バランスを見ながら花と葉を描き加えていきます。花と葉の輪郭は文字で使った青色で描いて統一感とシャープさを出しています。
8)背景を描く
背景を描いて完成!
って簡単に書きましたが、背景は別の紙に色の確認をしながら慎重に描きました。
真剣になっていたので途中の写真を撮るのを忘れてしまいました。
完成
どこまで描き込むか、これは作品を作るときによく思うことですが、なんでもやりすぎは大抵よくない結果になると思います。
なのであと少し手を入れたくてもグッとこらえた方が身のためです。
というわけでこれで完成となりました。
こんな感じで作品を作っていますが、あなたの自由な作品作りに少しでも参考になればうれしいです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Good luck!
Thank you!