カリグラフィー作品を作るとき、最後の工程が作品のトリミングです。
トリミングとは作品の余白を決めることで、額装の一歩手前、とても重要な部分です。
しかし最後の工程とは言っても、実は最初から考えておかないと上手くいかないのです。
今回はカリグラフィー作品のトリミングの方法を説明していきます。

キュウクツ ナノハ キライダヨ!
Contents
用意するもの
トリミング用の紙

L字型の紙2枚
これは額装でいうマットの部分に見立てています。
紙の種類は少し厚手の水彩紙がいいと思います。
それを適当な幅で切ってL字型にします。
私は中目の水彩紙を使っています。作品を細目の紙に書くことが多いので質感が少し違う紙を使った方が額装の雰囲気が分かりやすいと思います。
大は小を兼ねるということで、なるべく大きいサイズの方がいいです。
画像は長さが40cmくらいですが、大きな作品をトリミングするのには足りない場合があります。そのときは2組(4枚)使います。
本物のマットをL字型に切って使う手もありますが、トリミングの時に2枚を重ねるので、厚みで浮いた部分ができてしまってトリミングしづらいです。
紙の色を濃い色(例えば黒や紺色、濃いグレー)にすると、作品がくっきり見えトリミングしやすいです。
いろんな色を持っていれば額装のイメージもしやすくなりますね。
スマホ
良いと思ったトリミングを写真に撮って確認するのに使います。
額装シミュレーションアプリ(あると便利)
額装にしたイメージで確認するのに使います。
額装シミュレーションアプリについてはこちらの記事をご覧ください。
構想段階のトリミング
作品「SEEDS」を例に説明します。
この作品の場合、文字と絵があります。頭の中でぼんやりあったイメージをラフスケッチしてから文字と絵をレイアウトする段階まで何度も構想を書き直していますが、今回はその部分は省略します。

最終的に決まった下書きがこちらです。
この段階では余白のイメージはあったのですが、とにかく文字の行間だったりレイアウト、鳥の位置などを決めることが中心でした。
(結構適当な紙にテキトーに書いていたりするのがバレてしまいましたね(笑) しかも下書きの紙が小さすぎてトリミングというのはおかしいかもしれませんが…)
そして本番の時これをどれくらいの大きさの紙に書くかを決めるために、ここで最初のトリミングをします。ちなみにこの下書きは設計図なのでX-ハイトや行間の大きさ、使うペン、画材などを書き込んで残しておきます。
L字型の紙を向かい合わせに置き、上下左右に動かしながらちょうどよい位置を決めます。
ここでは完全に決めなくて大体で構いません。「最小限この大きさの紙は必要だ」という目安を知れたらOKです。本番用紙はそれより余裕をもった大きさの紙を使います。
作品をトリミングする

余白の余裕を持たせて本番用紙に書きました。
今回は八つ切りの紙を縦に使えば間に合いそうだったので上部が無駄に空いています。
下よりに書くのは上の方に書くと紙が手前に垂れ下がって机の端で折り目が付いてしまうのを防ぐためです。
トリミング

まず広めに置いてみます。
明らかに余白が多すぎですね。
間の抜けた感じがします。

次に一番狭く置いてみます。
やっぱり窮屈ですね。

徐々に動かして心地いいポイントを探していきます。
毎回スマホで写真を撮って見比べてみるとよく分かります。

最終的にこんな感じに決まりました。
文字と絵を合わせた重心は左右の真ん中にくるようにし、上下の余白は下の方が少し広くなるようにすると上手くいきます。

ここであとひと工夫。種をデザインしたものを入れたかったのですがトリミング後の方が分かりやすいと思ったのでここで入れました。黒い紙を小さく切って貼り付けています。
アクセントになって作品が面白くなりました。
額装シミュレーションアプリに入れてみてイメージを確認してみます。
これは必須ではありませんが、作品を額装してみると雰囲気がずいぶん変わって完成後のイメージもはっきりしてきますね。今回使ったアプリはFremeXというアプリです。


どうでしょうか。

イイカンジ!
サイズをメモしておく
トリミングでできた窓の部分の大きさを測ってメモしておきます。
また、窓の角の部分となる所にしるしをつけておきます。
額装店に持っていくときはこのL字型の紙も一緒に持っていき、作品に合わせてみてプロの意見も聞いた方がいいでしょう。自分の感覚の確認にもなります。
何度も経験すると自分の感覚も優れてきますよ。
まとめ
トリミングは実際に目で見て確認するほかに、写真に撮ってみると客観的に判断できますね。
実は作品を作るときも私はよく写真を撮って確認します。
便利なツールはどんどん使っていきましょう!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
余白を取りたいのに紙が足りない!とならないようにしましょう。